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海は豊穣の産屋

この三陸の海辺、新しい命を生む母なる産屋の庭に

祈りと歓びの神楽が舞い遊ぶ

《交叉する震災と芸能》姉妹作『廻り神楽』

毎日映画コンクールドキュメンタリー映画賞

​キネマ旬報2017文化映画ベストテン選出!

Trailer

予告編

古に、国も土地も形を成さず

ちょうど水に浮かんでいる脂(あぶら)の塊のように、

漂っていた。

―【日本書記 天地開闢】―

予告編
あらすじ
Summary

あらすじ

宮城県雄勝半島、石巻市の漁村は、東日本大震災の津波で46軒中、1戸だけを残し被災した。その絶望の淵から立ち上がったのは、村に残ることを決めた12人の漁師たちであった。

「いっさい、いっさい、海を恨んでいねぇ」と、男たちは生活の再建と同時に、祭りの復興に乗り出した。流出した一切の神楽面と祭具を作り直し、何もない海辺の居住地に柱を立て、舞台を作った。

神楽に憑かれて“好きの神”を自称する漁師が、祈りの神楽を舞い、笛と二人の太鼓打ちが息を合わせ、600年前と変わらぬリズムを打つ。産屋の庭は神楽が舞い遊び、笛・太鼓の音が、命の誕生を告げる産声のように響いた。

石巻や仙台、県外に避難した人たちも帰ってきた。仮設住宅で暮らす人々も、祭りの神楽に元気をつけられ、夢をふくらませた。

海辺に立てられた舞台、そこでの大トリは「産屋」という演目、それは新しい命を再生し、力強く鼓動させてくれる海の豊穣と時として凶器に変わる海の荒々しさの二つが、一つの神の中に同居している。

東日本大震災から1年後の雄勝法印神楽を通して、被災と芸能が交叉する姿をとらえたドキュメンタリー。

神楽の担い手である漁師たちの、立ち上がる姿を描く人間ドラマ。

About Ogatsu-Hoin-Kagura

雄勝法印神楽とは

雄勝法印神楽(おがつほういんかぐら)は、宮城県石巻市雄勝町に伝わる民俗芸能の神楽。

国指定重要無形民俗文化財である。

出羽三山・羽黒山の羽黒派の修験者により伝えられたとされ、山伏神楽の系統を継いでいる。雄勝町内の各神社の春・秋の祭で奉納される。

メッセージ
Producer

プロデューサーから

プロデューサーからのメッセージ

2010年、私と岡野玲子は国立劇場で雄勝法印神楽を初めて見ました。大胆な表現とプリミティブな内容に深い感銘を受け、これはぜひ地元で見なければと思ううちに東日本大震災が起き、衣装も道具も町ぐるみ流されたと聞きました。その後、日本ユネスコ協会連盟の方から祭の復興を手伝っているのだが、その様子を映画にしませんかと依頼され、北村皆雄さん、戸谷健吾さんらと雄勝町を取材しました。こうして作ったのが『雄勝 ~法印神楽の復興』(2012年)という60分の作品です。それから5年経ち、北村さんからいま一度復興の様子を思い返したいというお話があり、新たにもう一本の作品『海の産屋』が生まれました。被災地の悲惨な様子と対照的に美しい景色、鮮やかな神楽は人と自然というコントラストを浮き立たせます。

手塚 眞

手塚眞監督『星くず兄弟の新たな伝説』

2018年1月20日(土)より

テアトル新宿ほか全国順次ロードショー!

監督から
Directors

監督から

監督からのメッセージ

東日本大震災の光景を見て、日本の神話にある国土が生成する前の混沌とした姿を思い浮かべた。震災から復興する雄勝神楽のドキュメンタリーを撮ることになって、始原の国造りの神々の話がほとんどであることにびっくりした。この神楽には、ヒトもムラも、零から出発させ、生まれ清まらせる力があることに、思いっきり気づかされた。凄い神楽だ。

北村皆雄・戸谷健吾

監督
北村 皆雄(きたむら みなお)

1942年生まれ。早稲田大学第一文学部卒。ドキュメンタリー映画監督、映像人類学・映像民俗学者、(一社)日本映像民俗学の会代表、早稲田大学アジア研究所招聘研究員、(株)ヴィジュアルフォークロア代表
沖縄、日本各地、ヒマラヤ、チベット、インドなどアジアの自然、文化、生活を描いてきた。

◎ 映画作品
「冥界婚」(2016)、「アジアのシャーマン」(2014)、「ほかいびと 伊那の井月」(2011)、「修験 羽黒山秋の峰」(2005)、「アカマタの歌」(1973)、「カベールの馬」(1969)
◎ TV番組
「チョモランマの渚」(1999 TV朝日40周年記念番組)、「ヒマラヤ5000年時空の花園」(1996 TV朝日)、「チベット大河紀行」(1994 NHKスペシャル)
◎ 著作

「俳人井月 幕末維新 風狂に死す」(2015 岩波書店)、「つな引きのお祭り」(2006福音館)、共著「チベット生と死の文化」(1994 東京美術)、「原インドの世界」(1995 東京美術)、「見世物小屋の文化誌」(1999 新宿書房)、「千年の修験」(2005 新宿書房)、「見る、撮る、魅せるアジアアフリカ!—映像人類学の新地平」(2006 新宿書房)

監督
戸谷 健吾(とたに けんご)

1984年東京都生まれ。大学で民俗学・人類学を学び、2011年ヴィジュアルフォークロアに参加。
奥三河に伝わる「花祭全記録(全15集落/2011~2015年撮影)」をはじめ、国内の民俗芸能の記録に携わる。500年ぶりに京都・下賀茂神社で行われた「糺勧進能」の記録を編集。
自然や文化にかかわるテレビ番組のディレクターも務め、主な担当番組に「にっぽん百名山」(2012年~)、「さわやか自然百景」(2012年~)、「田部井淳子 最後の山へ」(2017年)などがある。
本作「海の産屋」が劇場公開映画の初の監督作。

「廻り神楽」では撮影を担当した。

スタッフ
Staffs

スタッフ

出演:雄勝法印神楽保存会

語り:寺尾聰

プロデューサー:手塚眞・三浦庸子

監督:北村皆雄 戸谷健吾

撮影:山田武典・東野良 / 

北村皆雄・戸谷健吾

音声:黒木禎二・河合正樹

音響:齋藤恒夫

整音:浜口崇

カラリスト:仁科丈治

音楽:Ky:仲野麻紀・Yann Pittard

デスク 渡邉有子・山上亜紀

タイトルデザイン:杉浦康平+新保韻香

宣伝美術:島田薫

協力:石峰山石神社宮司 千葉秀司・石巻市雄勝総合支所・雄勝町のみなさん

Special Thanks:岡野玲子

写真提供:一般社団法人 東北地域づくり協会

製作:ヴィジュアルフォークロア・ネオンテトラ

配給:ヴィジュアルフォークロア

2018年制作(2012年撮影)/77分

自主上映募集
Application for screening

自主上映募集

『海の産屋 雄勝法印神楽』は、東日本大震災のコミュニティの危機に際して、ふるさとの伝統文化が果たす役割の大切さを描いた作品です。震災一年後に撮影しました。全国のお祭りや郷土芸能に携わる方々、伝統文化を愛し守るたくさんの人たちにご覧いただきたいと思い「自主上映」の募集をします。上映会を通して、伝統文化を見直したり、それを守り伝えることの大切さについて語り合う機会が生まれればとても嬉しいです。ぜひ皆さんの想いを形にするための場づくりに『海の産屋 雄勝法印神楽』の上映をご検討ください。

 なお、岩手県の黒森神楽の震災6年後の巡行を捉えた『廻り神楽』(94分)との同時上映も可能です。

★まちづくり・まち育てのイベントで

★公民館や公共ホール等での催しに

★郷土芸能を守り伝える方々の集いに

★大学教育機関等のイベント・講義に

★東日本大震災のメモリアル行事にて

上映料・申し込み方法等については、下記「自主上映要項」をお読みいただき、申込書をダウンロードしてお申し込みください。全国での劇場公開が一段落する頃から受付を開始いたします。

​Contact

株式会社 ヴィジュアルフォークロア

TEL : 03-3352-2291

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